協働ロボットは、製造業のあらゆる工程で活用が進んでいます。人手不足が深刻化する中、単純作業の自動化だけでなく、高精度が求められる作業や重労働の代替など、その活用範囲は多岐にわたります。
本記事では、製造業 自動化の代表的な用途である「ネジ締め」「検査」「パレタイズ」を中心に、業界別の具体的な活用事例と導入効果を詳しく紹介します。

ネジ締め作業での協働ロボット活用
ネジ締めは製造業で最も頻繁に行われる作業の一つです。人手による作業では、締め付けトルクのバラツキ、締め忘れ、作業者の疲労による品質低下などの課題がありました。
自動車部品製造での活用事例
自動車部品メーカーでは、エンジン部品のネジ締め工程に協働ロボットを導入しました。ロボットティーチングにより複数箇所のネジ締め順序をプログラムし、トルクレンチと連携させることで、全てのネジを規定トルクで確実に締め付けています。
導入効果
- 締め付けトルクの標準偏差が±15%から±2%へ改善
- 締め忘れによる不良がゼロに
- タクトタイムが45秒から32秒へ29%短縮
- 作業者は目視確認と梱包作業に専念
愛知 ロボット市場では、自動車産業のサプライチェーンにおいてこうしたネジ締め自動化のニーズが特に高く、多くの企業が導入を進めています。
電子機器組立での活用事例
ノートPC製造ラインでは、筐体の精密ネジ締めに高精度協働ロボット(繰り返し精度±0.03mm)を導入しました。小型ネジの位置決めには高い精度が必要で、人手作業では熟練が求められていました。
導入効果
- 新人でも初日から品質安定した作業が可能に
- ネジ山破損による不良が月20件からゼロへ
- 作業者の眼精疲労・肩こりが大幅に軽減
検査工程での協働ロボット活用
検査工程は品質保証の要であり、高い集中力と判断力が求められます。ロボットとビジョンセンサーを組み合わせることで、人では見落としがちな微細な不良も確実に検出できます。
外観検査の自動化事例
樹脂成形品メーカーでは、製品表面の傷・汚れ・色ムラを検査する工程に協働ロボット+高解像度カメラを導入しました。ロボットが製品を一定の角度・照明条件でカメラ前に提示し、AIによる画像判定を実施します。
導入効果
- 検査速度が60秒/個から35秒/個へ42%向上
- 不良流出率が0.8%から0.1%へ87%削減
- 検査員の判断基準のバラツキ解消
- 夜間無人検査により24時間稼働を実現
寸法測定の自動化事例
金属加工メーカーでは、精密部品の寸法測定に協働ロボットを活用しています。ロボットが部品をノギスや三次元測定器にセットし、自動測定を行います。測定データは自動記録され、トレーサビリティが確保されます。
導入効果
- 測定時間が5分/個から2分/個へ60%短縮
- 測定データの自動記録により記録ミスがゼロに
- 統計的品質管理(SPC)のデータ蓄積が容易に
パレタイズ作業での協働ロボット活用
パレタイズ(製品をパレットに積載する作業)は重労働の代表格です。1日に数百個、重量物を持ち上げる作業は、作業者の腰痛や労災の原因となっていました。
食品製造での活用事例
菓子製造メーカーでは、10kgの製品箱をパレットに積み上げる作業にロボットを導入しました。ロボットが規則的にパレットへ積載し、満載になると自動的に次のパレットへ切り替わります。
導入効果
- 作業速度が600箱/時から900箱/時へ50%向上
- 作業者の腰痛発生がゼロに
- 重労働からの解放により若手の定着率向上
- 残業時間が月30時間/人から12時間/人へ削減
物流倉庫での活用事例
物流センターでは、様々なサイズの段ボール箱をパレタイズする工程にロボットを導入しました。ビジョンセンサーで箱のサイズを認識し、最適な積み方を自動計算します。
導入効果
- パレット積載効率が65%から85%へ向上
- 輸送効率の改善によりトラック台数削減
- 作業者は伝票処理など付加価値業務へシフト
業界別の活用事例一覧
協働ロボットは様々な業界で活用されています。主な業界と代表的な用途を表にまとめました。
| 業界 | 主な用途 | 導入メリット |
|---|---|---|
| 自動車産業 | ネジ締め、部品組立、検査、研磨 | 品質安定化、トレーサビリティ確保 |
| 電子機器産業 | 精密組立、基板実装、検査 | 高精度作業の安定化、眼精疲労軽減 |
| 食品製造業 | パレタイズ、箱詰め、搬送 | 重労働からの解放、衛生管理向上 |
| 医療機器産業 | 精密組立、滅菌包装、検査 | クリーンルーム対応、トレーサビリティ |
| 金属加工業 | 機械装填、研磨、検査 | 夜間無人運転、設備稼働率向上 |
| 化粧品製造業 | 充填、箱詰め、ラベル貼付 | 多品種少量生産への対応、品質安定 |
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その他の注目される活用事例
ネジ締め・検査・パレタイズ以外にも、協働ロボットは多様な用途で活用されています。
研磨・バリ取り作業
金属製品の研磨やバリ取りは、熟練技能と体力が求められる作業です。力覚センサー付き協働ロボットを使用することで、適切な押し付け力で均一な研磨が可能になります。
導入効果
- 研磨品質の均一化
- 作業者の粉塵暴露リスク低減
- 熟練技能のデジタル化
塗布・接着作業
接着剤やシーリング材の塗布作業では、塗布量と位置の正確性が重要です。ロボットティーチングにより、複雑な塗布パターンも正確に再現できます。
導入効果
- 接着剤使用量の最適化(15%削減)
- 塗布ムラによる不良ゼロ化
- 有機溶剤への作業者暴露削減
ピック&プレース作業
部品供給や製品搬送などのピック&プレース作業は、製造業 自動化の基本です。ビジョンセンサーとの組み合わせにより、バラ積みされた部品からの取り出しも可能になっています。
導入効果
- 搬送速度の向上
- 取り間違いの防止
- 作業者は組立など高度な作業へシフト
導入を成功させるポイント
協働ロボットの導入を成功させるには、以下のポイントが重要です。
1. 最適な工程の選定
初めての導入では、比較的単純で効果が出やすい工程から始めることが重要です。パレタイズや搬送など、動作パターンが定型的な作業が適しています。
2. 投資対効果の明確化
タクトタイム短縮、品質向上、労働環境改善など、定量的な効果目標を設定し、投資回収期間を明確にします。
3. 段階的な展開
1台での成功事例を作り、ノウハウを蓄積してから水平展開することで、リスクを最小化できます。
4. 作業者の理解と協力
ロボット導入は作業者の仕事を奪うものではなく、単純作業から解放し、より価値の高い業務に従事できるようにするものだという理解を得ることが重要です。
多様な用途で広がる協働ロボットを活用しましょう
協働ロボットは、ネジ締め、検査、パレタイズといった基本的な作業から、研磨、塗布、組立など高度な作業まで、製造業のあらゆる工程で活用が進んでいます。人手不足が深刻化する中、単純作業の自動化だけでなく、品質安定化、労働環境改善、生産性向上など、多面的な効果をもたらしています。
愛知 ロボット市場をはじめ、全国の製造現場で協働ロボットの導入事例は日々増加しています。自社の工程でどのように活用できるか、まずは類似業界の事例を参考にし、デモ機での実証を通じて効果を確認することから始めましょう。
ロボットティーチングの容易さと柔軟な設置が可能な協働ロボットは、中小企業でも十分に活用できる製造業 自動化のツールです。自社の課題に合った用途を見つけ、第一歩を踏み出すことが、競争力強化への道となるでしょう。