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甘いものを食べると詰め物が取れてしまう理由

「甘いものを食べたら詰め物が取れた…」という経験をしたことがある方は少なくないでしょう。特にキャラメルやグミなど粘着性の高いお菓子を食べた後に起こりがちなトラブルです。なぜ甘いものが詰め物と相性が悪いのでしょうか?今回は、甘いものと歯の詰め物の関係について詳しく解説します。

目次

1. 詰め物が取れる主な原因

粘着性の問題

甘いお菓子、特にキャラメル、グミ、飴などの粘着性の高い食べ物は、詰め物に強い引っ張る力をかけます。これらのお菓子を噛んだり、歯から引き離そうとしたりする際に、詰め物に対して強い力が加わり、接着が弱くなっていた詰め物が取れてしまうことがあります。

帯広市の歯科

糖分による接着剤の劣化

歯の詰め物の多くは、特殊な歯科用接着剤で固定されています。この接着剤は長期間の使用や、口内環境の変化により少しずつ劣化していきます。糖分を含む食べ物や飲み物を頻繁に摂取すると、口内の酸性度が上がり、この接着剤をさらに劣化させる原因となります。

温度変化の影響

アイスクリームやホットチョコレートなど、極端に冷たい・熱い甘い食べ物は、詰め物と歯の熱膨張率の違いによるストレスを生じさせます。歯と詰め物の材質は異なるため、温度変化に対する反応(膨張・収縮)が異なり、このわずかな差が積み重なることで、詰め物と歯の間に隙間ができ、最終的に詰め物が外れやすくなります。

2. 詰め物の種類と甘いものの影響

レジン(プラスチック)系の詰め物

白い詰め物として知られるレジン系の詰め物は見た目が自然である反面、他の素材に比べて接着力が弱く、経年劣化しやすい特徴があります。甘いものの摂取による酸性環境は、このレジン系詰め物の接着を特に弱めやすいです。

セラミックインレー

セラミック製の詰め物は見た目が良く耐久性も高いですが、接着剤で固定されているため、長期間の使用や強い力が加わると取れることがあります。特に大きな詰め物の場合、粘着性の高い甘いものがテコの原理で引き剥がす力を発揮することも。

金属(銀歯など)

金属製の詰め物は比較的強固ですが、これも接着剤の劣化や強い力によって取れることがあります。特に古い詰め物ほど、甘いものの影響を受けやすくなります。

3. 科学的に見た甘いものと詰め物の関係

酸の生成メカニズム

口内の細菌は糖分を餌にして酸を生成します。この酸は歯のエナメル質を溶かすだけでなく、詰め物の周囲にある歯質や接着剤にもダメージを与えます。甘いものを食べた後に口内が酸性に傾くと、詰め物と歯の境目に微小な隙間が生じやすくなります。

微小漏洩(マイクロリーケージ)

詰め物と歯の間に微小な隙間ができる現象を「微小漏洩(マイクロリーケージ)」と呼びます。ここに唾液や細菌、食べ物のカスなどが入り込むことで、接着が更に弱まり、最終的に詰め物が取れやすくなります。甘いものの摂取は、この微小漏洩を加速させる要因になります。

4. 詰め物が取れないための予防策

適切な口腔ケア

  • 甘いものを食べた後は必ず歯磨きをする
  • フロスや歯間ブラシで詰め物の周囲もきちんと清掃する
  • 定期的な歯科検診で詰め物の状態をチェックしてもらう

食べ方の工夫

  • 粘着性の高い甘いものは詰め物がある歯では噛まない
  • 極端に熱い・冷たい食べ物は一度温度を和らげてから食べる
  • 硬い甘いものは小さく割って食べる

詰め物の種類の選択

歯科医師と相談して、自分の生活習慣や食習慣に合った詰め物の種類を選ぶことも重要です。甘いものをよく食べる方は、より耐久性の高い素材の詰め物を検討してもよいでしょう。

5. 詰め物が取れてしまったら?

詰め物が取れてしまった場合は、以下の対応をしましょう:

  1. 取れた詰め物は捨てずに保管する(再利用できる場合があります)
  2. できるだけ早く歯科医院を受診する
  3. 受診までの間、取れた部分に食べ物のカスが詰まらないよう注意する
  4. 市販の応急用の詰め物キットを使用するのは最終手段として(長期間の使用は避ける)

まとめ

甘いものと詰め物の関係は、単なる「粘着力」だけの問題ではなく、口内環境の変化や材料の特性など、複合的な要因が関わっています。詰め物を長持ちさせるためには、甘いものの摂取を控えるというよりも、摂取した後のケアや、食べ方の工夫が重要です。

定期的な歯科検診で詰め物の状態をチェックしてもらうことも、突然のトラブルを防ぐためには欠かせません。甘いものを楽しみながらも、お口の健康を守るバランスを見つけましょう。


※この記事は一般的な情報提供を目的としており、個々の症状や状態については歯科医師にご相談ください。

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